悠想の道しるべ

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「石を動かし 心を動かす 失敗の連続 会社が潰れる! 回転墓誌塔への道」   墓地が狭く法名碑を置くスペ-スが無い・・

墓地が狭く法名碑を置くスペ-スが無い。どうすればよいか・・・ある山形県の石材店様から相談されました。この地方での法名碑の大きさは幅75㎝×高60㎝で台石も入れると結構大きくなります。小さくすると戒名人数が少なくなり困るとの事でした。円柱に彫刻すれば直径の3倍以上になる。逆に3分の1のスペ-スでOKとなります。75㎝の幅なら25㎝の直径(8寸Φ)の円柱が回転すれば同等の人数をカバ-できる。そこで、この円柱を回転させる技術が必要となりました。「石は動かないもの」という常識を破り、石を動かす初めての挑戦でした。単に円柱を回転させれば良いという訳ではありません。上に笠、下に台座その中間に浮いた状態で円柱を回転させねばなりません。早速、設計に取り掛かり挑戦が始まりました。円柱や笠、台座等の石関係は海外、中国福建省の工場で製作、その他の部品と組立製作は全て自社で行うと決めました。一度設置したら、ほぼ永代に交換できないものと覚悟し使用する材料は永年変化に耐えるものとし、又、油や回転用ベアリングは一切使用しないと決めて試作が始まりました。石の円柱の中心に穴を開け、中にナイロン又はジュラコンという樹脂を入れ中心に、旋盤で軸受けを加工するという最初の目標はもろくも崩れました。100㎏を超える石の円柱を支える大型の旋盤という機械が近くにはなく頓挫してしまいました。どうすればよいか・・・。

 

その時、大きなステンレス軸加工を依頼していた埼玉の小さな製作所が他に金型も作っていました。ある液体を流し複雑な形状の型を作っている現場を見て、“これだ〟と直感しこの技法を応用することにしました。石の円柱の中心に軸受け形成用治具を設計・製作 セットし液体を流し込む。加工せずそのまま軸受として完成させるのです。しかし、この為には大型の中心合わせ用治具機械を新規製作する必要となり、無いお金を絞って2台製作しました。(とても痛かった)これによりやっと石の回転体の製作(試作)に成功しました。もう既に構想から3年の月日が流れてました。特許出願をし、試作製品を山形の〇〇石材店様へ納入しました。大変驚かれ、そして喜ばれました。確認するとスム-ズに回転してました。しかし、これで終わりではありませんでした。納入1年後、電話があり「回転しない」という事でした。「昼は回るが、朝方(8時頃)は回らず、又、力を入れて回さないと・・重くてダメだ」という事でした。目の前が真っ暗になりました。他のお客様へも複数以上納入していたのでこの問題を解決しなければ大変なことになる。会社が潰れてしまうという危機感でいっぱいになりました。この原因を分析した結果、石材・樹脂そして金属という3つの異なる素材の熱膨張率が全く違うという事に気づきました。外気温が上昇する夏の石材は60℃以上になります。この時 樹脂は大きく膨張するのですが、周囲が石に阻まれ内径の方向に逆膨張するが樹脂内径にはステンレス製の金属の軸があり金属の膨張と相まって隙間を無くし回転を難しくしていたのです。早速、膨張率を考慮し、軸と樹脂の隙間の大きさを試行錯誤の末決定し、クレ-ムを解決 回転するようになりました。〇〇石材店様が、「回転すると目の前にご先祖が現れ 対面出来てとても良いと褒められた」と教えてくれました。私は、この商品を回転墓誌塔と名付け本格販売に踏み切りました。今日では、相当数になっています。この発明が新たな挑戦へと繋がっていく事をこの時はまだ気づきませんでした。「石を動かし心を動かす」悠想シリ-ズ商品開発の大きな一歩となった商品でした。                                                                                                                                                                                                                       ベルストン株式会社  大友保男

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