悠想の道しるべ

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合葬墓をすすめられて・・・  「合葬墓は嫌です」一度、住職にすすめられたので・・

「合葬墓は嫌です」一度、ご住職にすすめられたので見学しましたが選べません・・・A子さんは悲しそうな顔をして言いました。A子さんは15年位前に夫を亡くし、10年位前に現在の夫と再婚しました。近くの寺に墓地を取得しており(永代使用)、落ち着いたのでお墓を建てる事を決意し弊社に相談に来店しました。トントン拍子で形や金額が決まっていったのですが、突然電話が来ました。「ダメになりました」と言われました。お寺のご住職に墓の建立は認められないという事のようです。お寺の言い分は、『誰が墓守をするのか』つまり、これから永代にわたって使用料を誰が払っていくのかという事でした。A子さんには、前夫との間に一人息子がいます。今は遠く離れた〇〇島に結婚して住んでいますと説明したそうです。これに対して住職はそれは認められません。この寺の檀家としてお墓は建てられません。という事で合葬をすすめられたそうです。お寺は自宅から徒歩10分位の近いところで今さら他の場所を探すのは年齢的にもできないという事で、1年以上お寺と相談しながらモヤモヤの時間を過ごしたそうです。それから「結論が出ましたので来てください」との電話があり行ってみると次のように話されました。「今の夫の実家(B家)のお墓に入れられる事となりました。それで納骨と戒名彫刻をお願いします」という事でした。現在の夫は次男坊で、一生懸命に実家の許可を取ってくれたので入れることになったという事でした。名前が違うので花立に2つの家の苗字(性)を彫刻する事になりました。ただ、ご住職からの指示により、カロ-トの内部を仕切板(石)で区切りなさいという事でしたが、直前になってそこまでしなくてもよろしくないでしょうかとお伺いをたてましたら、それでもいいかという事になり納骨の準備が進みました。納骨の時、15年も前から仏壇のそばに保管しておいた前夫のお骨を取り出した時、A子さんは無言で率先して骨つぼから納骨袋に静かに移して入れました。どのような想いなのだろうか・・・うちの人も若い時(以前は)B家によく行ってお母さんとも楽しく話してましたよね・・・一人つぶやくように小さい声で話してました。やっと安堵の念が感じられました。今の夫は2~3m位離れて静かに見守っていました。お寺に保有していた墓地は返還したとの事、そしてお金は戻らないとの事でした。でも今は心の整理がつきホッとしていますと自宅に帰ってからつぶやいておりました。突然の夫の死により、違った人生を歩みここに自分たちの人生を終える頃になって、又、悩みが発生考えもしなかった人生。一人息子は遠く離れた〇〇島で独立。何年も帰って来ないとの事です。今の夫は働き者で、庭の畑で作物を作り、片付けたりと一生懸命働いている。現在の夫の理解と協力により解決し、通常の日常に戻れた事は何よりも幸せな事と感じました。                                                   ベルストン株式会社 大友保男

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